COBITSU
【冷凍ご飯が蘇る】枡一筋70年の工房が作る、お米がふっくら温まる『枡のおひつ』
目次
• ポイント
1. 桧香る桝のおひつで忙しい日の食卓が一瞬で贅沢な時間に変わる
2. 用と美を兼ね備えたデザインのこだわり
3. 美味しくご飯を冷解凍できるおひつ効果と蒸し器効果の秘密
• 開発チーム
• 製品仕様
ポイント①:桧香る桝のおひつで忙しい日の食卓が一瞬で贅沢な時間に変わる
COBITSU(こびつ)は、炊き立てのように美味しく冷凍ご飯をいただける桝のおひつです。
仕事に、家事に、育児に、勉強に。毎日頑張っているから忙しく、いつもご飯を炊く余裕がない人も多いかもしれません。
そんな時のご飯に、COBITSUを電子レンジで温めてそのまま食卓に出してください。ほっと心が落ち着くほのかな桧(ひのき)の香り。手に取ってみると感じる木の温もりや手触りの心地よさ。
疲れた心をそっと癒してくれるCOBITSUがいつもの暮らしに幸せと喜びの贅沢なひとときを贈ります。
COBITSUの使い方
Ⅰ:保存方法
その一、ご飯を入れる直前に、COBITSU本体の内側と蓋の内側を軽く湿らせて水を切り、キッチンペーパーや布巾でさっと水気を拭く。
その二、炊きたての熱いご飯を8分目を目安にふんわりと入れる。
※炊飯後長時間保存したご飯、冷めたご飯の使用には適していません。
その三、ふたをしてシリコンバンドをかけ、すぐに冷凍庫に入れる。
※お米からでた水分を吸収することで、ふたが若干反り上がることがありますが、ご使用上問題ございません。
Ⅱ:いただき方
その一、シリコンバンドを外し、ふたをしたまま電子レンジ500Wで3分〜3分半温める。
※ご飯の量や電子レンジの性能に合わせて時間を調整してください。長時間の加熱のし過ぎは破損や事故につながるのでおやめください。
電子レンジの扉を開けると、ご飯と桧(ひのき)のいい香りが広がります。ぜひCOBITSUが醸し出す香りまでお楽しみください。
その二、電子レンジから取り出してふたを外し、お箸で切るように軽く全体をほぐしてお召し上がりください
※熱くなっているので、取り出す際はやけどにご注意ください。
Ⅲ:食後に
お寺の食事作法に、食べ終えた後のお椀に温かいお茶やお湯を入れて飲むことで、お椀を洗うというものがあります。
COBITSUでもそうしていただくことで、後のお手入れを楽にしつつ、ほのかな桧の香りを最後までお楽しみいただけます。
Ⅳ:お手入れ
COBITSUにはご飯のこびりつきにくくするコーティングが施してあります。水洗いでもほとんど汚れは取れますが、隅に挟まった米粒が取れにくいときは付属の木べらをお使い下さい。洗ったあとは、ふきんなどの上にCOBITSUを逆さにして水平に置いて乾かしてください。
※つけ置き洗いや食洗機は、破損するおそれがあるのでおやめ下さい。
Ⅴ:様々な使用シーン
COBITSUは冷凍庫や電子レンジでも使用できるのに陶器よりも軽く、内側に施したコーティングのおかげでご飯のこびりつきも少ないため、同じ木でできている漆器や曲げわっぱに比べて気軽にお使いいただけます。
ここでは、その使用例をいくつかご紹介します。
ほのかな桧の香りは、焼き魚、煮魚などの魚料理にはぴったりです。
炊き込みご飯やお赤飯などや、おかずを入れても美味しく召し上がれます。
※油ものや色移りする食材の場合、染みがつく場合がございます。
酒器としても使われる枡がベースなので、お茶漬けもお楽しみください。削られた角からすすると、口当たり良くいただけます。
※長時間水分を入れ続けると漏れなどの不良の原因となりますのでご注意ください。
蒸し寿司など、あらかじめ作り置きできるメニューはホームパーティの一品としても活躍、テーブルを華やかに彩ります。
※蒸し寿司のレシピは同梱の小冊子に記載されています。
ご飯におかずを乗せると、ちょっとしたお弁当箱としてもお使いいただけます。
※ふたは完全に密着していないため、汁物を入れると漏れますのでご注意ください。
朝からちょっと贅沢な気分のCOBITSU卵かけご飯もいかがでしょうか。
ご飯を美味しくいただくための用と美
COBITSUのデザインで大切にしたのは、ご飯を美味しくいただくための用と美。まず、枡と言えば水平垂直が美しい直方体。それに対してCOBITSUは、上に行くほど広がる「オベリスク形状」が特徴です。
これは決して奇をてらったわけではなく、食べる際は器として自然に持ちやすくて箸を入れやすい、収納時にはスタッキングもできる形状として、必然的にたどり着いた均衡点でした。
さりげない〼の記憶が日常を特別に
しっかりとふたを締めるシリコンバンドと、内部にぴったりと収納できるお手入れ用の木べらは、「〼」の漢字の斜め線が示している「弦鉄」がモチーフ。枡の持つ千年以上に渡る歴史を、実用的な要素の中にさりげなくあしらいました。
枡の主材料の桧は神社仏閣の建材にも使われ、枡の「ます」という読みが「増す」と同じであること、上から見たときの組目が「入の字」になっていることなど、何かと縁起のよい枡。
それらの枡の歴史と伝統とも言える要素をそのまま取り入れたことで、日常の中にもささやかな特別感を演出してくれます。
そして何よりお楽しみいただきたいのは、自然木・桧ならではの木目の表情、手ざわりの良さ、そして香りです。これらを五感で感じることではじめて完成するデザイン、ぜひお手にとってご堪能ください。
ポイント③:美味しくご飯を冷解凍できるおひつ効果と蒸し器効果の秘密
おひつ効果が湿度を最適に保つ
日本で昔から愛用されてきた木製のおひつのご飯が冷めても美味しい秘密は、木が持つ調湿性。炊きたてのご飯から出た余分な蒸気を吸収するとともに、時間が経ったら水分を放出することで、ご飯を常にベチャつかず・パサつかないちょうどよい湿度に保つことができます。COBITSUでは良質な国産桧(ひのき)を使うことで、優れたおひつのような調湿性を実現しました。
蒸し器効果でむらなくしっとり温める
蒸し器で温めた冷ご飯は、蒸気の力で逃げた水分が程よく戻ることでふっくらつやつや、炊きたてのようにできあがります。COBITSUを電子レンジで温めると、吸収していた水分が蒸気となって放出・充満することで、中のご飯をまんべんなく温めると同時に、本体とふたの間の隙間から適度に逃げ出すことで、蒸し器のように温めることができます。
地球に優しい桧の活用
桧は日本と台湾にしか自生していない針葉樹で、中でも大橋量器の枡の主材料の中部地方の桧は、古来より仏閣や神社の建材として用いられる高級品であり、伐採後も100〜200年かけて徐々に強度を増すと言われています。
実用面では抗菌性があると言われており、樹脂成分を多く含むことから耐水性が高く、乾燥しやすく狂いが少ない性質から枡の材料として最適でした。感性面でも美しく落ち着いた色合いをしており、特有の香りは人をホッとくつろいだような気分にさせてくれます。
世界的には過剰伐採による森林破壊が進む中、贅沢に桧を使っているCOBITSUはもったいないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、日本は海外から木材を輸入する一方、国内の森林の41%は人工林で、適度に伐採しなければ土砂災害などの原因につながるにも関わらず、多くの山林が放置されています。
COBITSUの主材料はそうして伐採された国産桧から作られることに加え、建築材や建具材の端材を使うことで材木を無駄なく活用しています。
また本体が木製で繰り返し使えるCOBITSUは、使い捨てのラップフィルムやプラスチック製容器の使用に対し、脱プラスチック化に微力ながら貢献できます。COBITSUを使うことは、日本と世界の森林と環境の保護にささやかながら貢献につながります。
メーカー:株式会社大橋量器
有限会社 大橋量器は、岐阜県大垣市で1950年創業、年間120万個もの枡を生産する木枡専門メーカーです。
木曽桧(ひのき)をはじめとする近隣の豊かな森林資源に恵まれた大垣市は、木枡の全国生産量の8割を占めています。
大橋量器では1300年続く枡の歴史と伝統を守りながら、革新的な枡製作にも力を入れ、世界的なデザイナー「セバスチャン・コンラン」とのコラボレーションや、「ポール・スミス」ニューヨーク店で取り扱われるなど、海外からも注目を浴びています。
その確かな技巧が、COBITSUの美しい質感と、冷凍と電子レンジ加熱の繰り返しという厳しい環境への耐性を実現しています。
開発ストーリー
Ⅰ:枡の歴史とコロナ禍の影響
何百年もの間、お米の量りだった枡は1966年の計量法改正と共に新しい役目を探す必要に迫られました。
やがて、枡の価格が下がったことに目をつけた酒造メーカーが相撲やプロ野球の宴席で用いたことで、酒器のイメージが定着。結婚式や正月など、人々が集まる祝いの席を晴れやかに彩り、今に続いてきました。
しかし、新型コロナ禍で祝いの席が激減。大量のキャンセルによって売上が最大75%減少し、このままでは伝統産業存続の危機となる苦境に、今再び立たされています。
そのような中、大橋量器が活路を見出すべく参画したプロジェクトが「AICHI DESIGN VISION」でした。
Ⅱ:ご飯と桧の香りの出会い
そこで引き合わした大橋量器とデザイナーの南地 秀哉が手を組むこととなりました。開発期間中、実際に集まったのは初期の工房見学の1度のみ。そこからは毎週毎週、リモートでアイディアを持ち寄り、様々な角度から枡の性質を分析する実験する中で、枡に米と水を入れ電子レンジで炊飯してみたところ、両者の間で笑顔が溢れる発見がありました。それは、電子レンジにかけている間に部屋中に広がる桧と白米の合わさった幸せな香り。
この幸せな香りを、みなさまの食卓へお届けしたい。その想いを元に、この体験をより気軽に、より日常の中で味わえるよう着想したのが、ご飯を冷解凍できる枡のおひつという形でした。そこから数え切れない失敗と改善を短期間の間に積み重ねました。
Ⅲ:香りのコントロールとお手入れのしやすさ
白米には強すぎる桧の香り、水分を吸うことで反り返ってしまうふた、米粒がこびりつくことによる洗いがっての悪さ…
様々な検証を繰り返す中で、それらを解消しつつ枡の良さは活きる、最適なコーティング方法の発見に至りました。
Ⅳ:最適な大きさの追求
ちょうどよいご飯の量や収納性については、3D CADによるパラメトリックな設計変更によるシミュレーションと、ペーパーモックによるアナログな検証とを繰り返すことにより最適な大きさを追求しました。
Ⅴ:新しい加工技術の確立
オベリスク形状、シリコンバンドによる固定用の溝、本体にぴったり合うふたなど、普段の枡とは異なる加工要素を多く取り入れたCOBITSU。職人たちのチャレンジにより、それらの設計を実現する新たな加工技術を確立しました。
これらすべての課題や問題を乗り越え、ようやくお客様にご提供できるレベルにまでたどり着くことができました。
Ⅵ:想い
私たちは「枡が人を幸せにする」ことを願い枡づくりに専念してきましたが、コロナ禍で人が集まる場所に彩りを添えることができず、私たちは突然大きな壁にぶつかってしまいました。枡が活躍できる場所を奪われてしまったのです。
数か月迷走しました。
私たちは何のために枡づくりをしてきたのだろう? 原点に返ると「枡が人を幸せにする」願いが蘇ってきます。 今回枡と切っても切れないお米と枡との幸せなひと時を創造することで今の生活に美味しい時間を味わっていただけると思い「COBITSU」の開発に至りました。
枡が生みだすご飯とのハーモニーを多くの人に味わっていただきたいと心から願っています。
有限会社 大橋量器
代表取締役 大橋博行
デザイナー:南地 秀哉(みなみじ ひでや)
1987年 大阪生まれ。
2010年東京大学工学部精密工学科卒、2012年武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻工芸工業デザインコース卒。同年より(株)東芝デザインセンターにて勤務。主にコンシューマー向けスマートフォンアプリを中心にウェアラブルデバイスや社会インフラ関連のUI/UXデザイン、新規事業案件、社内スタートアップなど幅広い領域で活動。
2017年にGROOVE X(株)に転籍し、家庭用ロボット「LOVOT」と連携するスマートフォンアプリ開発の立ち上げとUI/UXデザインを手掛ける。
2021年武蔵野美術大学特別講師として特別授業・実技指導、2020年東京大学非常勤講師として特別授業を担当。
COBITSUにてウッドデザイン賞(2021)を受賞した他、iF Design Award(2016)、Good Design賞(2015)、日本設計工学会武藤栄次賞優秀学生賞(2010)、月刊カメラマン大賞 二席(2008)など受賞。
サポーター:AMN
「COBITSU」は商品開発プロジェクト「Aichi Design Vision」で開発されたプロダクトです。「Aichi Design Vision」では、モノづくり企業と企業の技術に惹かれ想いに共感したデザイナーによって消費者の皆さまの生活を豊かにする商品を開発しています。
内容量 | 1.5合(270ml、ふたと干渉しない量をよそったとき) |
材質 | 国産桧(本体、ふた、木べら)、シリコン(バンド) |
電子レンジ / 冷凍庫 | 使用可 |
食洗機 / オーブン / トースター / グリル / 蒸し器 | 使用不可 |
FAQ
- オーブントースター、グリル、蒸し器で温めることはできますか?
- 木製品である性質上、最悪の場合火災の原因となる可能性がございますので、絶対におやめください。
- シリコンバンドを付けたまま、温めることはできますか?
- 変形・破損する恐れがあるため、必ずシリコンバンドをお取り外しください。
- つけ置き洗いはできますか?
- 木材が水分を含んで変形し、破損の原因となりますのでお控えください。
- 汁物は入れられますか?
- 短時間であれば問題ございません。長時間の場合は漏れ出すおそれがあります。また、密閉性は無いので汁物を入れての持ち運びもお控えください。
- 油ものや色移りしそうなものは入れられますか?
- 染みや着色が生じる恐れがございますので、油ものや色移りするものを入れる際はご了承ください。
- COBITSUの蓋が反ってしまいます。
- 木が水分を吸収することで本製品の特長である調質性を実現しておりますが、同時に若干の変形が生じてしまいます。乾くとほぼ元に戻るため、自然物ならではの性質としてお楽しみください。
- COBITSUの修理は可能ですか?
- 原則修理はできません。取扱説明書に記載された禁止・注意事項に従った正常な使用状態で不具合が生じた場合は、お買い上げ日より2週間以内であればお使いいただいた物であれば交換対応させていただきます。
- 桧(ひのき)の花粉症ですが、使用して問題ありませんか?
- 本製品にヒノキ花粉はありませんが、もしかゆみや不快感を感じた際は使用を中止し、医師等へご相談ください。
使用上の注意
- 桧(ひのき)の香りの感じ方には個人差があります。ご使用の中で徐々に弱まりますが、気になる方は卵かけご飯など、桧の香りが穏やかになる食べ方をお試しください。
- 自然木の特性上、ご使用いただく中で温湿度により多少変形が生じる可能性があります。
- 湿度による木の変形を考慮にいれて加工しているため、ふたと本体のはめ合わせには若干の余裕を持たせていますが不具合ではございません。木目や色味は1つ1つ個体差がございますのでご了承ください。
- お取り扱いについては付属の説明書をよくお読みください。
- 生産及び品質向上のため、予告なしに製品仕様、製品デザインを変更する場合があります。
- ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合により出荷時期が遅れる場合があります。
製造・販売:株式会社 大橋量器
デザイン:南地 秀哉
サポート:Aichi Design Vision
デザインプロセスについて:note